全てのアラブ人は信仰を持ち、神を信じる。殆どのアラブ人はイスラム教徒であり、人々の生活へのイスラム教の影響が大きい。家族の在り方や社会的習慣は、宗教的というよりも文化的なものであり、その一部はイスラム教成立以前からのものだが、習慣や文化と認識する人がほとんど居なく、宗教の教えだと考えられている。
アラブ社会では、宗教は誰にとっても非常に重要なものだと考えられているため、たとえ、無宗教であっても、自分が無宗教であることは口にすべきでない。宗教を聞かれたら、どんな宗教で結構なので、何かの宗教で答えなければならない。
アラブ人はイスラム教徒もキリスト教徒も、信心深さに関わらず、みなは自分の宗教に強い愛着を持っているため、宗教の教えなどは批判的な態度や指摘を避けよう。
アラブ人は時間に几帳面ではない。アラブ人と仕事をしたことがある人は、一度はこう考えたことがあるだろう。アラブ人は時間に対してだけではなく人の約束事、仕事等に対しても呑気なのだ。そのような気質になった原因は、アラブ人が考える運命にあると言える。
アラブ人は、人間が無力な存在であり、この世の全ての出来事は最終的には、神の意志によって決まると考えている。約束の時間に遅れたりしたら、それは自分に責任があると考えず、神の意志によるものだと容易に考え、責任を外部に転嫁する。そして、未来について話すとき、内容の前後に「インシャーアッラー」を必ず付け加える。「インシャーアッラー」の文字通りの意味は「もし神様がお望みであれば」です。「インシャーアッラー」を言わないと物事が実現しないと一般的に信じられているため、言い忘れたら、相手に言うように促される。
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